お寺について
遍照院の歴史
当院は、宇治茶の産地で有名な京都府宇治田原町にある高野山真言宗の寺院です。「峰岳山 高岳寺」に起源を持ち、元亀元(1570)年に再興され現在に至っています。御本尊は不動明王。自然と歴史を感じることのできる境内が魅力です。
修験修行の地で自然を感じる
ここ山城地域は奈良時代から修験を中心とした修行の場で、北の大峰と呼ばれる「鷲峰山」をはじめ信仰の中心となってきた霊験あらたかな聖地でありました。
鷲峰山の麓には、養老元年(717)創建の飯尾山医王教寺(現在は廃寺)という大寺の塔頭寺院をはじめ、たくさんの修行僧らの坊があり、祈りの地として栄えておりました。
長い時代の中で、たくさんあった坊は合併や廃寺となり、現在はそれぞれの本尊や仏像を継ぎ守る寺院が、この遍照院をはじめ山深い集落に数件残っています。
徳川家康ゆかりの地で
歴史を感じる
天正10年「本能寺の変」にて織田信長が自刃したことを聞いた徳川家康が、わずかな手勢とともにこの宇治田原(信楽街道)を通り、伊賀国を抜けて領地である三河国岡崎城への帰還を目指したといわれます。街道沿いで国境に位置する当院に立ち寄り、甲賀衆(小川城からの警護兵)との合流を待ち、ひとときの休息をとったと伝わります。
御本尊・諸仏
御本尊は「不動明王」の立像で、開運黄不動とも呼ばれる少し金色がかった色が特徴です。50年に一度だけ開帳する秘仏であり、前回の御開帳は昭和63年でありました。
護摩壇の前には宗祖弘法大師の像と利剣大師が祀られ、世の平和と安穏を祈念した護摩がたかれます。
その他、長い歴史の中で廃寺になった近隣寺院の仏様方が、脇仏として多数お祀りされております。
住職ご挨拶
当時院が再興されてから21代目の住職として、集落の方々と共にお寺をお守りしています。
昔ながらのゆったりとした時間が流れ、京都市内より5度ほど涼しいといわれるさわやかな風の中、歴史と自然を感じて心落ち着くひとときをお過ごしいただければ幸いです。
また、高野山真言宗の末寺として、仏事全般、永代供養等のご相談もお受けしております。別院(宇治市 正覚院)でも承っておりますので、お気軽にお問合せください。
また、この地域とともに、大切なものが次世代に紡げるよう、今後は自然あふれる風土を生かした取り組みにも挑戦していきたいと考えております。
ご興味のある方、ご支援いただける方がいらっしゃいましたら、お知恵をお貸しください。
これからもこの地域とともに大切なものが次世代に紡げるよう努めてまいりたいと思います。
令和5年10月 遍照院 住職
別院のご案内
宇治川畔 開運不動尊 正覚院
平等院や宇治上神社がある宇治川畔、京阪宇治駅から徒歩5分にある「正覚院」は古くからこの遍照院を本坊とし、同じく「不動明王」が本尊の開運不動尊として江戸時代初期にはすでに信仰を集めていた寺院です。節分会や毎月28日の不動護摩祈祷の行事があります。宇治市観光の際には是非お立ち寄りください。また、仏事全般のお参りやご供養、納骨堂・永代供養の受付もしております。お気軽にご相談ください。
〒611-0021
京都府宇治市宇治又振16